絵が上手くなりたいブログ

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【モルフォ人体デッサン】筋肉を描けるようになりたい人にオススメ‼【レビュー】

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モルフォ人体デッサンをすべて模写し終わったので、それを踏まえてレビューしていきます。


 モルフォ人体デッサン 形態学による人体を描くための新テクニック

(ミシェル・ローリセラ著 布施英利監修 グラフィック社発行)

のレビューをしていきます。

 

特徴

モルフォ人体デッサンの大きな特徴は豊富な絵です。

ページ数は319ページです。ふつうの絵の教本は200ページ程度なので1.5倍のボリュームです。しかも、ほとんどのページが文章が少し付け足される程度で、ほかはイラストばかりです。はじめてみるとその量に圧倒されるでしょう。

 

モルフォ人体デッサンはほかの教本とは大きく違います。モルフォ人体デッサンと似ている教本をあえて挙げるとするならば、美術系の解剖学の本です。モルフォ人体デッサンと解剖学の本の共通点は骨と筋肉を取り扱っている点です。どちらも骨や筋肉のことを学ぶことができます。

この二つの教本の大きな違いは動きがあるかどうかです。解剖学は医学的見地から人体を細分化していったものです。それに対して形態学は生物学の一分野で生物の構造と形態に関する学問です。形態学の方がより広義の意味を持ちます。形態学の中に解剖学が含まれています。

解剖学の本では体の部位ごとに分けられて描かれいます。描かれかたも、わかりやすさを重視するために、一定の視点からしか描かれていません。

それに対して、モルフォ人体デッサンでは生きた人間を対象とするため、解剖学と違い、そのポーズには動きがあります。

僕は解剖学の本を持っているのですが、正直模写していても、退屈です。しかし、モルフォ人体デッサンを模写していても楽しくできました。

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内容

内容は序文、はじめに、頭部と頚部、体幹、肩、上肢、下肢、生体に分けられます。

頭部と頚部の章は短めです。他の解剖学なのでは表情筋などに大きな割合を割いていますが、この本では必要最低限にとどまっています。

 

体幹の章は胴体について描かれています。特に骨盤が様々な角度で描かれています。こんなに骨盤について描かれている教本は他に知りません。

 

肩の章は前の二つの章に比べ、量が多めです。肩については上手に人体を描くために必要不可欠です。しかし、このことを指摘してくれる教本は多くはありません。肩は腕や脚と同じくらいに自由自在に動きます。しかし、同時に地味な部位でもあるので、省略されがちです。この肩を独立した章をつくり、多くをページを割いているところみると、さすがにわかっているなと思いました。

 

上肢の章は腕と手について描かれていました。腕は量が多く単調であったため、模写していて少し飽きてしまいました。この点に関しては他の解剖学の本と変わりありませんでした。ただ、かっこいい腕のポージングも多数あり、テンションが上がります。浮き沈みが激しい章でした。

 

下肢の章は脚と足について描かれていました。腕の章よりもいろいろなポーズが描かれており、飽きずに描くことができました。

 

生体の章は脂肪と全身画が描かれています。これまでの復習みたいな章と思いきや、脂肪がいきなり出てきました。これは人によってはうんざりするかもしれません。この著者は脂肪が好きなのか姉妹本で脂肪をテーマににした本まで出しています。全身画は量は少ないのですが、ポーズの資料としても使えるかもしれません。

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こんな人におすすめ

筋肉を描けるようになりたい人。

この本では骨と筋肉について描かれていますが、その量としては筋肉>骨です。骨は最低限に抑えられており、この本のメインは筋肉です。さまざなポーズの筋肉が描かれており、筋肉についての理解を深めてくれます。

模写が好きな人。

この本では長い文章というものが序文とはじめにの章にしかありません。他の章では絵の補足的な意味合いで短い文章が書かれているだけです。模写をするテンポを崩しません。次々と模写することができます。また、様々なポージングが描かれているので、楽しく模写できました。

初心者には……

お絵描きが慣れてない方は正直この本はお勧めできません。以前、模写をする前にこの本をレビューしたときは、初心者の方にもおすすめしたのですが、実際自分で模写してわかったのですが、量が半端ではありません。絵が描き慣れない方にとっては、全部を模写する体力はないと思います。また、文章がほとんどないので、それを不親切に感じるかもしれません。

初心者の方にとってこの本の姉妹本である

箱と円筒で描く モルフォ人体デッサン ミニシリーズ 

をおすすめします。この本は筋肉をデフォルメして描かれており、初心者にもとっつきやすいです。

この本の使い方

この本の一番いい使い方はひたすら模写することです。というのも、この本には文章が書かれておりません。読んで学ぶということはできません。そうなると、模写するしかりません。資料として使えるかもしれませんが、あまりそういった使い方だと体系的に描かれていないので使いづらいかもしれません。

オススメの模写の仕方としては一気にやることをお勧めします。理由としてはとても量が多いのでちまちまやると、時間がかかりすぎます。僕がやった時は毎日2~3時間、模写して20日かかりました。またこの本に載っている絵は結構ラフなので、ひとつひとつの絵に時間をかけず、やるのがいいです。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

 

模写する前に描いたモルフォ人体デッサンのレビュー

 

e-joutatu-rensyu-mosya.hatenablog.com

 モルフォ人体デッサンの模写練習の記事 まとめ

 

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